この記事では、
- 基本情報技術者試験って何?
- どれくらいの難易度なの?
- どんな内容を勉強するの?
といった悩みを持っている方に基本情報技術者試験について、何処よりも、わかりやすく、丁寧に解説していきます。
私自身、最近(2024年度)取得したばかりなので、新鮮な情報を提供できると思います。
基本情報技術者とは?
基本情報技術者試験(FE試験)は、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が実施する国家試験で、ITエンジニアの登竜門とされる資格試験です。
2023年4月から、通年で試験が実施されており、CBT方式で全国各地で受験が可能な試験となっています。
マイナビニュース資格が集計した情報によると、6位人気を誇る国家資格です。
引用:マイナビニュース資格
基本情報技術者を取得するメリット
就職・転職で有利!
基本情報技術者の資格を持っていると、基本的なITスキルを有していることを証明できます。
そのため、多くの企業から必要とされる存在になれます。
実際に、求人ボックスとindeedで調査したところ約63,000件の求人がありました。
求人ボックスでの検索結果
indeedでの検索結果
手当や報奨金が出る!
特にIT企業では、社員が積極的に基本情報技術者の資格を取得するようにするために、手当や報奨金を支給します。
相場としては、、、
基本給の引き上げの場合:5,000~20,000円 UP
報奨金支給の場合:50,000~100,000円
スキルアップだけでなく、給料UPを考えている方にもおすすめの資格と言えます。
高度情報処理試験へレベルアップしやすい & 高年収を狙える!
情報処理技術者試験はレベル1~4まで、難易度別に資格があり、その中で基本情報技術者はレベル2に該当します。
また、レベルによって平均年収が異なっており、レベルが高い資格であれば、高年収を目指すことができます。
もし、「IT技術者として成長していきたい」「高年収を目指したい」と考えているのであれば、取得必須の資格と言えます。
以下にレベル別の資格と年収相場を紹介していますので、参考にしてください。

基本情報技術者のレベル感
こちらでは、IT系の資格を受けたことがない人向けに、基本情報技術者がどのくらいの難易度なのかご紹介します。
勉強時間は200~300時間程度で、合格率は約40%です。
毎日3時間勉強したとすると、約3か月で取得することが可能です。
学生または社会人であっても、地道に努力すれば短期で取得可能な資格であることが分かります。
経験者の方や通信講座を使うことを考えている方であれば、より一層早く取得できるでしょう。
資格の種類 | 資格偏差値 | 勉強時間 |
---|---|---|
中小企業診断士 | 67 | 800~1000 |
応用情報技術者 | 65 | 300~500 |
日商簿記2級 | 58 | 250~400 |
宅建 | 57 | 300~400 |
TOEIC 700点 | 57 | 約300時間(500→700点の場合) |
TOEIC 600点 | 51 | 約200時間(400→600点の場合) |
基本情報技術者 | 49 | 200~300時間 |
FP2級 | 48 | 150~250時間 |
危険物取扱者 乙種4類 | 48 | 100~150時間 |
ITパスポート | 45 | 80~120時間 |
日商簿記3級 | 45 | 100~150時間 |
FP3級 | 37 | 30~100 |
基本情報技術者の試験概要
基本情報技術者試験は2023年4月から、CBT方式での受験となり、1年中いつでも受験が可能となりました。
また、これまで午前試験・午後試験と別れており、別日に受ける試験でしたが、現在は科目A(旧:午前試験)・科目B(旧:午後試験)となり、同日に続けて受験することになりました。
合格基準や合格率、科目Aと科目Bの試験の違いについて表にまとめました。参考にしてください。
試験方式 | CBT方式(コンピュータを使用して受験) |
実施時期 | 通年実施(随時予約・受験可能) |
合格基準 | 科目A・科目Bそれぞれ60%以上(1000点満点中600点以上)の正答 |
合格率 | 約40~50% |
受験資格 | なし(誰でも受験可能) |
再受験可能日 | 「再申込時に、受験日として指定が可能な日は、前回の受験日の翌日から起算して30日を超えた日以降を、受験日として指定可能」 ※CBTS受験者専用サイトから引用 |
合格発表 | 受験月の翌月中旬に確認可能 |
項目 | 科目A | 科目B |
---|---|---|
試験時間 | 90分 | 100分 |
問題数 | 60問(解答数60問) | 20問(解答数20問) |
出題形式 | 多肢選択式(四肢択一) | 多肢選択式 |
出題範囲の度合い | 広く浅い(IT全般:ハード、ソフト、ネット、法律) | 深く狭い(プログラミング、アルゴリズム、セキュリティ) |
難易度 | 知識問題中心 | 思考力・理解力が求められる |
特徴 | 暗記・理解で対応可能 | 手を動かしての演習、慣れが必須 |
基本情報技術者では、どんなことが問われる?
ここでは、科目Aと科目Bで実際にどんなことが問われるのか簡単に説明します。
科目A
科目Aでは大きく分けて、以下の3分野が出題されます。
テクノロジ系 | コンピュータの仕組み、ネットワーク、データベース、セキュリティなど技術的な内容 |
マネジメント系 | システム開発の進め方やプロジェクト管理に関する知識 |
ストラテジ系 | 企業経営、IT戦略、法律、情報倫理など |
これだけでは、少しわかりづらいので、実際に問題の例を見てみましょう。
科目Aの例(知識問題)
問題:次のうち、OSの主な役割として適切なものはどれか?
A.コンピュータの消費電力を管理する
B.アプリケーションソフトを開発する
C.ハードウェアとソフトウェアの仲介を行う
D.データをインターネット上に公開する
正解:C
このように、用語や概念の理解が問われます。
初学者の方でも、こちらの対策はそれほど難しくありません。
科目B
難しいのは、こちらの科目Bです。
科目Bでは、「アルゴリズム・プログラミング(疑似言語)」と「情報セキュリティ」の2分野が出題されます。
ここでは、プログラムの動きを理解する力(論理的思考力)が求められます。
実際に簡単な問題例を見てみましょう。
科目Bの例(アルゴリズム問題)
問題:次の疑似言語は、2つの数値a,bのうち大きい方を出力するプログラムである。空欄(ア)に入る適切な記述はどれか。
a ← 5
b ← 7
if a > b then
output a
else
output (ア)
選択肢:
A. a
B. b
C. a+b
D. a-b
正解:B
このように、疑似コードの読み取り、変数の追跡が必要になってきます。
例題は、かなり簡単なものにしましたが、実際の試験ではこれの10倍くらいの文章で問題が出題され、読み解いていく必要があります。
まとめ
今回は、ITエンジニアの登竜門的な資格「基本情報技術者試験」について紹介しました。
巷でよく「独学で合格可能」と言われていますが、個人的には「かなり難しかった」です。
特に科目B問題は、文章量が多く論理的思考力も求められます。
そのため、情報系以外の学生や社会人の方には通信講座の利用をおすすめします。
別のページでおすすめの通信講座やテキスト、そして「ITパスポートを先に取った方がいいのか?」について紹介しています。
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